5.2 自然エネルギー100%地域

5.2.1 100%自然エネルギー世界プラットフォーム

環境エネルギー政策研究所、世界未来協議会、世界風力エネルギー協会を中心として、世界のさまざまな自然エネルギー関係機関の協働によって2014年に設立された「世界自然エネルギー100%キャンペーン(Global 100% Renewable Energy Campaign)」は、3年にわたって世界各地の事例や研究成果を集約して情報発信してきた。

2017年5月、このキャンペーンは、世界の自然エネルギー推進の流れをさらに加速するため、「世界自然エネルギー100%プラットフォーム(Global 100% Renewable Energy Platform)」として、ドイツ・ボンにて法人設立された。同年11月ボンでのCOP23期間中に開催されたプラットフォームの総会では、新たな運営委員が選任され、ラッセ・ブルーン(CAN International, グローバルキャンペーンコーディネートリーダー)、ステファン・ゼンガー(世界風力エネルギー協会、事務局長)、飯田哲也(環境エネルギー政策研究所、所長)、デヴィッド・レネ(国際太陽エネルギー学会、会長)、マリケ・ヴァン・シュタッデン(イクレイ・低炭素都市アジェンダ/ボン地域低炭素アクション&レポート・センター、ディレクター)が就任した。また、自然エネルギーを基盤とする経済への完全な移行に向けた世界的なムーブメントをさらに拡大させることに重点を置いた新たな事業計画が承認されている。

プラットフォームには、ドイツ再生可能エネルギー連盟(BEE)、オーストラリア・Beyond Zero Emmissions、欧州再生可能エネルギー連盟(EREF)、グリーンピース、デンマークINFORSE、国際水力発電協会(IHA)、マリ・フォルケセンター、カナダ・Renewable Cities、シエラクラブ、世界バイオエネルギー協会(WBA)、全国ご当地エネルギー協会などがメンバーとして加入している他、世界各国・各地からさまざまな団体やイニシアティブがサポーターとして参加している。

ここでは、世界自然エネルギー100%プラットフォームの取り組みとして、自然エネルギー100%計画作成支援ツール「ビルディング・ブロックス」と、COP23にあわせて開催されたサイドイベントについて見ていく。

ビルディング・ブロックス

地域での自然エネルギー100%実現に向けたプロセスの立ち上げを支援することを目的として、プラットフォームは2017年5月に「ビルディング・ブロックス(Building Blocks)」というツールを発表している[1]

図5.7 100%自然エネルギー・ビルディングブロック|出所:世界100%自然エネルギープラットフォーム

このツールは、主に自治体が地域のエネルギー計画を作成する際に、どのように「自然エネルギー100%」の目標を定義し、具体化させていくか、シートに書き込むかたちで可視化することを可能にする。検討すべき事項として「地域資源のポテンシャル」「100%REの設計図」「目的と機能の定式化」「省エネの推進」「REの増加と分野間統合」「資金調達の見通し」「分散化と包摂の支援」「垂直・水平協力と統合」「知識生産と人材育成の推進」「ネットワークへの参加」があげられている。今後、プラットフォームでは、このツールを使ったワークショップなどを世界各地で展開することを計画している。

COP23サイドイベント

2017年11月にドイツ・ボンで開催されたCOP23では、世界自然エネルギー100%プラットフォームが主催・協力するサイドイベントが開催された。

Global Renewable Energy Solutions Showcase

2017年11月7〜8日、ドイツ連邦共和国美術展示館で開催されたフォーラム「Global Renewable Energy Solutions Showcase」では、すでに自然エネルギー技術は競争力があり、効果的な解決策を提供していることを気候変動対策に携わるステークホルダーと共有し、今後の方向性を探る議論が展開された[2]

フォーラムでは、REN21、IRENA、REN Allianceといった国際レベルから、ドイツ・フラウンホーファー研究所、中国・ゴールドウィンド、マリ・フォルケセンター、メキシコ・ヤンサなど、さまざまな国の研究機関や事業者、コミュニティなどがスピーカーとして登壇し、最新の知見やベストプラクティスが共有されるとともに、新たな市場機会とイノベーションの可能性が議論された。

特徴的な点としては、AboWindによるアフリカでの配電ネットワークと太陽光発電、MaxBöglによる風力発電と揚水のオンサイトでの組み合わせ、NEXT Kraftwerkeによるヴァーチャルパワープラントといった「自然エネルギーの統合とデジタル化」の実践が急速に進んでいることが示されたことであった。

フォーラムでは、Energy Watch Groupが2050年までに世界の電力供給を自然エネルギー100%で賄う可能性を分析したシナリオ「Global Energy System Based on 100% Renewable Energy –Power Sector」を発表している[3]。このシナリオでは、2050年の世界の電力供給の69%を太陽光発電、18%を風力発電、8%を水力発電、2%をバイオエネルギーが占めるとの結果を示している。また、2050年には、世界の電力需要の31%は電力貯蔵の出力によって賄われ、そのうち95%は蓄電池によってカバーされるとの結果も示された。

また、フォーラムでの特別プログラムとして、河合弘之監督による映画『日本と再生光と風のギガワット作戦』の英語ダイジェスト版の上映もおこなわれた。

The Local Dimension of NDCs: 100% Renewable Energy

2017年11月9日、ドイツ連邦環境省で開催されたフォーラム「The Local Dimension of NDCs: 100% Renewable Energy」では、パリ協定のもとで各国が設定する削減目標(NDC)を達成する上で、自然エネルギー100%に取り組む地方政府や都市、自治体が果たす役割などに関する対話がおこなわれた[4]

フォーラムでは、先駆的に自然エネルギー100%の目標を設定し、政策を展開してきたカナダ・バンクーバー市やスウェーデン・ヴェクショー市をはじめ、イクレイやC40といった国際ネットワークやドイツ、オーストリア、デンマーク、スペイン、英国、ベルギー、オランダ、クロアチア、トルコ、日本、オーストラリア、メキシコ、コスタリカ、アルゼンチン、チリ、マリ、ウガンダ、カメルーン、南アフリカ、米国などから政策担当者やコミュニティが参加し、ワークショップ形式の対話も含めて活発な議論が交わされた。

また、ハイレベルインタビューのセッションでは、ドイツ連邦議会議員ウルリッヒ・ケルバー氏とカリフォルニア州サンタモニカ市議会議員パム・オコナー氏が、国レベルでトップダウンに自然エネルギー政策を推進するのが非常に困難な政治状況にある一方、地方政府や都市、自治体のような地域レベルで意思をもってボトムアップで自然エネルギー100%に取り組むことでより迅速に気候変動対策も進めることができるということが共有された。

5.2.2 ドイツの100%自然エネルギー地域

ドイツでは、カッセルにある分散型エネルギー技術研究所(IdE)が事務局となり2007年から2014年まで「100%自然エネルギー地域」の評価プロジェクトを実施してきた[5]。2017年7月現在で、92の100%自然エネルギー実現地域(図の緑の領域)、58の100%自然エネルギー準備地域(図の黄緑の領域)、3つの100%自然エネルギー準備都市(フランクフルト、ロストック、オスナブリュック)で合計153の「100%自然エネルギー地域」が認定されている(図5.8)。これらの地域を合わせるとドイツの人口の30%にあたる2,500万人、総面積の35%に達する。

図5.8 ドイツの100%自然エネルギー地域(準備地域を含む)2017年7月現在|出所:IdE

この92の100%自然エネルギー実現地域の中には、人口1,000人規模の地域コミュニティからハノーファーのように人口が100万人を超える大都市圏まで含まれている。これらの100%自然エネルギー地域のネットワークをさらに広げる自治体間連携プロジェクト「RegioTwin」なども実施されている[6]

2017年11月にドイツのボンで気候変動国際条約に関する国連の国際会議COP23(議長国はフィジー)が開催され、パリ協定発効後のルール作りなどが議論された。100%自然エネルギーは、パリ協定が目指している長期的な目標と整合しており、あらためてこれらの地域の取り組みが注目されている。2017年9月に長野市で開催された地域再生可能エネルギー国際会議[7]でも、ドイツ各地域から担当者が両国環境省のプロジェクトとして来日して地域の紹介を行っており、その中の地域の一つライン・フンスリュック郡でCOP23に合わせて100%自然エネルギー地域の視察ツアーが開催された。

ドイツ中西部のラインラント・プファルツ州に位置するライン・フンスリュック郡は、人口10万人、面積991平方kmの田園地域である[8]。地域の45%が森林で、42%が農地になっている。137の町や村があり、ほとんどが人口500人未満の地方コミュニティから構成されており、中心都市のジンメン(Simmern)でも人口は約8千人である。

ラインラント・プファルツ州は自然エネルギー比率がすでに47%に達し、2030年には発電量の100%を自然エネルギーにする計画になっている。特に風力発電に力をいれており、州全体の風力発電の設備容量はすでに330万kWに達して、日本国内の設備容量に匹敵する。

その中でライン・フンスリュック郡には75万kWの風車(268基)があり、郡の年間電力需要の約300%にもなっている。映画「日本の再生」(第1章コラム参照)の冒頭シーンでこの地域の風車群が紹介されているが、実際に田園地域に壮観な風車群の風景が広がる(写真5.1)。風車は比較的新しいものであり、大型でタワーの高いものが多く、年間電力需要の100%に達したのは2013年頃である。

これらの風車はドイツ国内のエネルギー公社(StadtWerke)が出資しているものが多く、地域での所有は3%程度に留まるが、地域にはFITによる売電収入の6~8%程度が土地利用代として年間10億円が主に還元されている。その中でMastershausen町では、前市長からの話があり、実際に風車や太陽光発電事業による収益を地域に積極的に還元しており、町の学校や公共施設、道路や観光施設の整備、地域活動の資金などとして地域に還元されている。

ライン・フンスリュック郡では地域の資源である森林バイオマスも熱供給に積極的に活用されている。2016年に完成した2つの村(KulzおよびNeuerkirch)が共同運営する新しい地域熱供給施設では、人口750人の地域で約80%の140戸に地域熱供給を行っている。

熱供給施設には2台のバイオマスボイラー(合計1,260kW)と約1400平米の太陽熱システムがあり、地域のエネルギー会社(ERS)が施設の建設をしている。バイオマス燃料は、比較的乾燥したチップが周辺地域から供給されている。郡では、すでに15カ所で地域熱供給が稼働しており16番目の建設を行っている。地域熱供給では、化石燃料を直接削減することが可能であり、CO2の削減だけではなく、海外に依存する石油を削減する経済効果がある。

さらに、森林バイオマスとしては、廃棄物として処理をしなければいけないような水分率が高く形状が様々なバイオマス燃料(生チップ)も活用されている。地域の廃棄物公社(RHE)が運営する廃棄物処理場には木質バイオマスが集積されており、地域内にある約120の集積場から集まってきている。この木質バイオマス燃料は、地域内にある3カ所の熱供給施設でそれぞれ活用されており、主にビルディングなどの民間施設や学校、市役所などに熱供給されている。木質バイオマスの廃棄物処理とエネルギー事業が統合された形で運営が行われている。

写真 ライン・フンスリュック郡の風車群

(ISEP 松原)

5.2.3 国内での100%自然エネルギー地域への取り組み

日本国内でも、東日本大震災と福島第一原発事故から5年が経過し、幾つかの地域が100%再生可能エネルギーを目指しはじめている。その中で、2040年までに100%自然エネルギーの地域を目指すという都道府県レベルでは初めてとなるビジョンを決定している福島県が、2014年1月に福島県で開催された「コミュニティパワー国際会議2014 in 福島」[9]や「100%自然エネルギー世界キャンペーン」[10]などで、世界的に高く評価されている。

福島県は震災以前の2009年に「いきいき ふくしま創造プラン」内で低炭素・循環型社会への転換を重点施策に設定しており、自然エネルギーへの取り組みについて2011年3月に「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」を策定した。

しかし、その直後に震災が発生し、福島県における自然エネルギー導入政策も復興計画を踏まえたものへと変化した。2012年3月に「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン(改訂版)」が策定され、導入目標の見直し等が行われました。この推進ビジョンでは2011年から2020年までの期間の計画を定めており、その具体的な施策を定めた2013年2月策定の「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」[11]では、2020年目標を射程に2015年までの期間の具体的施策を定めている。

推進ビジョンでの具体的な計画は2020年までだが、自然エネルギー導入目標については2030年までの具体的数値が示されている。さらに、この推進ビジョンでは2040年頃を目処に福島県内のエネルギー需要量の100%以上に相当するエネルギーを自然エネルギーで生み出す県を目指すとしている(図5.9)。

図5.9 福島県再生可能エネルギー推進ビジョンの導入見込量と進捗度|出所:福島県資料

100%自然エネルギー地域の実現は、気候変動政策としてだけではなく、地域経済の自立という面でも重要である。しかし、現状では日本国内の自然エネルギー資源が豊富な地域であってもエネルギーの供給の大部分を地域外に依存しており、地域経済の自立が困難な一因になっている。地域資源である自然エネルギーを地域が主体となって活用し、地域で必要なエネルギーの全てを賄うことができ、かつ付加価値のあるエネルギーとして地域外に供給できれば、その経済効果は短期的なものではなく、長期的に次世代まで受け継がれるものとなるはずである。

100%自然エネルギー地域に向かう際の地域経済効果について、福島県再生可能エネルギー推進ビジョンに基づく試算を行い、その課題を検討している。自然エネルギー発電設備の導入シナリオについてこれまでの導入実績や目標値に基づいて作成し、2040年度までの年度毎の地域経済効果の評価を行っている[12]

投資段階での地域経済効果は比較的早い時期に効果が表れるが、投資金額に比べると1割程度である。投資段階の地域経済効果を高めるためには、地域の金融機関や工事会社が関与するだけではなく、設備そのものを地域の企業が何らかの形態(メーカーや代理店など)で取り扱う産業化を少しでも進める必要がある。

一方、事業運営段階の地域経済効果は、投資段階に比べて数倍の大きな金額になり、その効果は長期間に渡り継続的に表れるが、そのための地域での長期的な基本計画やロードマップの策定を前提に、10年程度の長期で評価をする必要がある。よって事業開発から設備導入までの投資段階だけではなく、20年間の長期に渡る事業運営段階においては地域主導での事業が長期的に継続されることが重要であり、地域経済効果に二倍以上の違いがあると試算されている。

長野県では、「第三次、長野県地球温暖化防止県民計画」の中で「長野県環境エネルギー戦略」[13]を2013年2月に定め、より実効性の高い地球温暖化対策を展開している。省エネルギーと自然エネルギーの推進に加え、エネルギーの適正利用を図る施策や過度なピークの抑制を図る施策、地域主導のエネルギー事業による地域の自立を図る施策を統合的に実施することにしている。

基本目標として「持続可能で低炭素な環境エネルギー地域社会をつくる」とし、温室効果ガス総排出量、最終エネルギー消費、最大電力需要、自然エネルギー導入量および発電設備容量の5指標について2020年度(短期)、2030年度(中期)、2050年度(長期)の目標値を定めている。さらにこれらの指標から自然エネルギー(大規模水力を含む)によるエネルギー自給率を算出し、2030年度にエネルギー需給量で19%、最大電力需要に対する発電設備容量で100%を目標としている。

(ISEP 松原)

5.2.4 エネルギー永続地帯

自然エネルギーにより持続可能な地域を将来に渡り増やしていくため、都道府県や市町村毎に自然エネルギーの割合を推計して自然エネルギー100%地域を見出し、評価する取り組みが10年前から継続的に行われている。永続地帯研究会(千葉大学倉阪研究室と環境エネルギー政策研究所(ISEP)の共同研究)では、2007年から毎年、「永続地帯」として日本国内の地域別の自然エネルギー供給の現状と推移を明らかにしてきた[14]

地域における自然エネルギーの割合が、その地域の持続可能性の指標として有効であり、その地域の特性に応じて太陽光や風力、小水力、地熱、バイオマスなどの様々な自然エネルギーを導入した実績を指標として評価することにより、これまで経済的な指標などでは捉えられなかったその地域の持続可能性を評価することが可能となる。

2018年3月に「永続地帯2017年度版報告書」で公表されたエネルギー永続地帯のデータ(2016年度推計)より、地域別の自然エネルギーの電力の供給割合から各地域の特徴をみていく。

日本国内では、自然エネルギーの全発電量に占める割合がようやく2016年度に14.8%になったレベルだが、都道府県別にみると、大分県、秋田県、鹿児島県、宮崎県、群馬県の5つの県で、民生(家庭、業務)および農林水産用の電力需要と比較した自然エネルギー供給(大規模水力は除く)の割合が30%を超えている(図5.10)。

図5.10:都道府県別の自然エネルギーの供給割合のランキング(2016年度推計値)|出所:永続地帯研究会(千葉大学倉阪研究室+環境エネルギー政策研究所)

さらに21の都道府県で、その割合が20%を超えているが、都道府県毎に特徴がある(表5.3)。第一位の大分県では地熱発電が16%になる一方、太陽光発電の割合も18%と高くなっており、同じ九州の鹿児島県や宮崎県も太陽光発電の割合が20%を超えており、群馬県や三重県で太陽光の割合が20%を超えている。

表5.3 県別の電力需要に対する自然エネルギーの割合(トップ5)

都道府県 太陽光 風力 地熱 小水力 バイオマス 再エネ
大分県 18.3% 0.2% 15.7% 5.6% 5.1% 44.9%
秋田県 3.8% 15.6% 11.0% 9.9% 3.6% 44.1%
鹿児島県 20.6% 5.3% 3.3% 4.4% 3.7% 37.2%
宮崎県 21.0% 0.4% 0.0% 2.7% 8.9% 33.0%
群馬県 21.0% 0.0% 0.0% 8.3% 1.3% 30.5%
全国 7.8% 0.9% 0.4% 2.2% 1.7% 13.0%

出所:永続地帯研究会

また、九州では宮崎県と大分県、その他の地域では、島根県と岩手県でバイオマスの比率が5%以上と高くなっている。一方、第二位の秋田県では太陽光の割合は低く、11%の地熱発電や10%の小水力に加えて風力の割合が15%と高くなっている。小水力では、第6位の富山県で23%、長野県で14%と高くなっています。風力では、青森県が13%と秋田県に次いで高くなっている。

さらに、135もの市町村では電力需要に対して100%を超える割合の自然エネルギーが供給されていると推計されている。風力発電だけでも100%を超える市町村は25あり、地熱発電では5市町村だが、小水力発電では62市町村あることがわかった。

2012年にFIT制度がスタートして太陽光発電の導入が急速に進み、15の市町村では太陽光発電だけで100%を超えている。これらの発電設備のほとんどは、地域外の企業が所有・運営しており、地域の自然エネルギー資源を地域主体で活用するコミュニティパワー(ご当地エネルギー)としての取り組みが求められている。また、地域での普及の遅れがみられる自然エネルギーの熱利用(太陽熱、バイオマス、地中熱など)への本格的な取り組みも期待されている。

一方、東京都や大阪府など大都市では、エネルギーを大量に消費しているため、太陽光発電の導入がある程度進んでいるにも関わらず、自然エネルギー供給の割合が数%以下と非常に小さいことがわかった。

この推計では、都市部で重要な自然エネルギー源として期待される自治体の廃棄物発電施設を含めており、生ごみなどをバイオマス資源として算入している。さらに、都市部において自然エネルギーの供給の割合を増やすためには、電力自由化や環境価値取引の仕組みなどにより、自然エネルギーが豊富で供給が可能な地域と都市との連携の取り組みが期待されている。


[1] Building Blocks – http://www.go100re.net/the-campaign/building-blocks/

[2] Global Renewable Energy Solutions Showcase –https://www.globalrenewable.solutions

[3] Energy Watch Group –http://energywatchgroup.org

[4] The Local Dimension of NDCs: 100% Renewable Energy – http://www.go100re.net/the-campaign/cop23/

[5] ドイツdeENet「100%自然エネルギー地域」http://100ee.deenet.org

[6] IdE ”RegioTwin” http://www.regiotwin.de/

[7] 地域再生可能エネルギー国際会議2017http://local-renewables-conference.org/japan

[8] ライン・フンスリュック郡の気候変動対策計画(ドイツ語)http://www.kreis-sim.de/leben/klimaschutz/

[9] ISEP「コミュニティパワー国際会議2014 in 福島」http://www.isep.or.jp/library/4772

[10]「100%自然エネルギー世界キャンペーン」”Global 100% RE”  http://www.go100re.net

[11] 福島県(2013)「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」(2013)

[12] 松原弘直、Jörg Raupach-Sumiyaほか,(2015)「福島県再生可能エネルギー推進ビジョンに基づく地域経済効果の評価」環境経済・政策学会2015年大会

[13]「長野県環境エネルギー戦略」2013年2月http://www.pref.nagano.lg.jp/ontai/kurashi/ondanka/shisaku/senryaku.html

[14] 永続地帯ホームページ http://www.sustainable-zone.org