国会エネルギー調査会(準備会)第55回
2016年2月29日
政府は今国会に再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を見直す法案を提出しました。このFIT法改正案は再エネ拡大を制約するおそれがあり、慎重な検討が必要です。特に、各地で芽生えているエネルギーの地産地消、「ご当地エネルギー」の動きを阻害することが懸念されます。政府は見直しの目的を「2030年度の再エネの導入水準(22~24%)の達成のため」としますが、野心的ではない目標を固定化せず大幅な上積みを目指すべきです。しかし、政府は恣意的な方法で電力コストを算出・提示し、これを引き下げる前提で再エネ拡大に投ずる費用を設定するというミスリードをしています。これでは、再エネ拡大にキャップ(上限)を課す上に、過度な「コスト効率化」の弊害を招きかねません。
太陽光偏重や「権利空押さえ」問題などが生じていますが、これはFIT制度そのものの欠陥ではなく運用に起因します。FIT制度の中で、価格決定時点の見直しや調達価格の設定方法などきめ細かな対応で改善すべきです。しかし、法案に盛り込まれた入札制度は中小事業者・地域密着型事業者を排除するという結果になる可能性があります。また、既成事実化されている「接続可能量」を撤廃し、「優先接続ルール」を明確化する必要があります。
再エネ飛躍の芽を摘まない改革を求める観点から、FIT法改正案を「公開審査」します。
日程・テーマ等
<日時>
2016年3月3日(木)16:00〜18:00
<場所>
衆議院第1議員会館 国際会議室(1階)
<共催>
国会エネルギー調査会準備会有識者チーム、超党派議員連盟「原発ゼロの会」
(※本イベントは独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催しています。)
<テーマ>
再エネ飛躍のための制度改善を! ~FIT法改正案「公開審査」~
<プログラム>
1. 基調講演
髙村ゆかり氏(名古屋大学大学院環境学研究科教授)
2. 説明
経済産業省資源エネルギー庁
3. 討議・意見交換
出席国会議員、有識者、関係省庁を交えて
国会エネルギー調査会(準備会)第55回 ISEPからのコメント 3.10 MB
国会エネルギー調査会(準備会)第55回 https://www.isep.or.jp/event/9161 再エネ飛躍のための制度改善を!...
国会議員(原発ゼロの会メンバー等)
国会エネルギー調査会準備会有識者チームメンバー
申し込み方法
プレスおよび一般傍聴を募集します(プレス:人数制限なし、一般傍聴:25名)。国会エネルギー調査会(準備会)事務局の傍聴申込みフォーム(http://goo.gl/forms/XrL26HF3EE)にて必ずお申込みください。
映像・資料公開
資料・動画はこちら(https://www.isep.or.jp/archives/library/10023)からご覧いただけます。