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【プレスリリース】「永続地帯2014年度版報告書」(確報版)の公表について

「永続地帯2014年度版報告書」(確報版)の公表について

2015年3月30日

千葉大学倉阪研究室 + 認定NPO法人環境エネルギー政策研究所

千葉大学倉阪研究室とNPO法人環境エネルギー政策研究所は、日本国内の市区町村別の再生可能エネルギーの供給実態などを把握する「永続地帯」研究を進めています。
「永続地帯」研究の最新結果(2014年3月現在)では、2013年3月末と2014年3月末時点の再生可能エネルギー設備の把握を行い、その設備が年間にわたって稼働した場合のエネルギー供給量を試算しました。その結果、2012年7月の固定価格買取制度の導入の効果により、太陽光発電の発電量が2012年3月以降の2年間で2.8倍になったことなど、再生可能エネルギー設備の導入状況が明らかになりました。
再エネの導入が進んだことによって、域内の民生・農林水産用エネルギー需要を上回る量の再生可能エネルギーを生み出している市区町村(「100%エネルギー永続地帯」)も、2012年3月段階の50市町村から、2014年3月段階では57市町村に増加しました。
また、すべての市区町村について食料自給率の試算を行いました。2012年3月末段階で食料自給率が100%を超えている市町村は573市町村ありましたが、2014年3月末段階では578市町村と微増しました。
さらに、100%エネルギー永続地帯である市町村の中では、29の市町村が、食料自給率でも100%を超えている「永続地帯」であることがわかりました。これらの市町村は、住み続けるために必要なエネルギーと食糧を地域で生み出すことができる市町村であり、「永続地帯」市町村といえます。

プレスリリース本文(PDF):「永続地帯2014年度版報告書」(確報版)」の公表について

「永続地帯2014年度版報告書」(確報版):本文(PDF) 17MB(99ページ)

永続地帯ホームページ: http://www.sustainable-zone.org/

表1 再生可能エネルギー供給の推移(全国)
図1  再生可能エネルギー供給の推移(全国)

注)速報・暫定版(2014年11月17日公表)と本報告(2015年3月30日公表)との違い
① 温泉熱利用に関して、2014年3月末集計のデータに差し替えました(群馬県については、県が公表する温泉熱の集計精度が落ちたため、2013年3月末データのままとしています)。
② 人口・世帯数データの見直しや市町村コードの見直しなどを行い、所要の修正を行いました。
なお、地熱発電データについては、2014年3月末のデータが得られなかったため、2013年3月末のデータのままとしています。

再生可能エネルギー電力の供給割合

図1 再生可能エネルギー電力の供給割合(都道府県)ISEP作成

☆ 永続地帯市町村一覧(住み続けるために必要なエネルギーと食糧を地域で生み出すことができる市町村)

北海道檜山郡上ノ国町、北海道磯谷郡蘭越町、北海道虻田郡ニセコ町、北海道苫前郡苫前町、北海道天塩郡幌延町、北海道有珠郡壮瞥町、青森県西津軽郡深浦町、青森県上北郡六ケ所村、青森県下北郡東通村、岩手県岩手郡雫石町、岩手県岩手郡葛巻町、宮城県刈田郡七ケ宿町、秋田県鹿角市、福島県南会津郡下郷町、福島県河沼郡柳津町、群馬県吾妻郡嬬恋村、群馬県利根郡片品村、富山県下新川郡朝日町、長野県南佐久郡小海町、長野県上水内郡信濃町、長野県下水内郡栄村、岡山県苫田郡鏡野町、熊本県阿蘇郡小国町、熊本県上益城郡山都町、熊本県球磨郡水上村、熊本県球磨郡相良村、大分県玖珠郡九重町、鹿児島県出水郡長島町、鹿児島県肝属郡南大隅町

「永続地帯市町村」:域内の民生・農水用エネルギー需要を上回る量の再生可能エネルギーを生み出している市区町村であって、カロリーベースの食料自給率が100%を超えている市町村 *印は、2011年3月末時点での集計以降に永続地帯市町村となった町村

※ なお、本報告書には、以下の個別調査結果を含んでいます。第7章をご覧ください。
7.1. 国内外の再生可能エネルギーの動向  松原弘直(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所)
7.2. 固定価格買取制度下における系統連系問題と今後の再生可能エネルギービジネス 馬上丈司(千葉エコ・エネルギー株式会社)
7.3.地方公共団体再生可能エネルギー政策調査(速報)倉阪秀史(千葉大学大学院人文社会科学研究科)
7.4. 3万kW未満の水力発電まで試算対象とした場合のランキング 永続地帯研究会
7.5. 食料自給率計算の検証、経年変化、今後の課題 泉浩二(環境カウンセラー)
7.6 法案作成講座における再生可能エネルギー関連法案・条例案 倉阪秀史
7.7 地域におけるストックマネジメントを促進するために 倉阪秀史

※ 市町村別のエネルギー自給率、食料自給率の分析などは、http://sustainable-zone.org に掲載しておりますので、ご参照いただければ幸いです。「永続地帯」でご検索いただければヒットします。

本件連絡先:
千葉大学人文社会科学研究科教授 倉阪秀史
認定NPO法人環境エネルギー政策研究所 松原弘直