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【プレスリリース】「世界自然エネルギー未来白書」日本語版を発表

環境エネルギー政策研究所(ISEP)は、REN21(21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク)と共同で2013年1月に発表した「世界自然エネルギー未来白書」”Renewables Global Futures Report”を日本語に翻訳し、日本語版として発表しました。本レポートは、世界中の 170名以上の自然エネルギー分野のトップリーダーへのインタビューや近年に発表された50余りの未来シナリオ等に基づいて、新しいコンセプトでまとめた 画期的な報告書です。豊富な情報によって、先進国や途上国を問わず、世界の自然エネルギーの未来への展望が把握できますので、ぜひご一読ください。以下の特設ページから翻訳した日本語版およびオリジナルの英語版が全文がダウンロードできるほか、冊子を領布中です。

「世界自然エネルギー未来白書」特設ページ

 

※本報告書の日本語版の冊子をご希望の方は、こちらからお申込みください。申込みフォーム

 

当研究所は、飯田哲也所長がREN21の理事を務めるとともに、エリック・マーティノー(Eric Martinot)研究部長が2005年以来、毎年「世界自然エネルギー白 書」”Global Status Report”の企画・編集・全体取りまとめを行うなど、REN21で中心的な役割を担ってきました。本レポートは、エリック・マーティノーにより2013年1月にアブダビ(UAE)で開催されたアブダビ自然エネルギー国際会議(ADIREC2013)で国際的に発表され、2月15日に日本国内で開催された「自然エネルギー未来展望ワークショップ」の講演で紹介されました。

「アブダビ自然エネルギー国際会議(ADIREC2013)」(2013年1月)特集ページ

「自然エネルギー未来展望ワークショップ」(2013年2月15日開催)講演資料などを掲載

以下は、本レポートで取り上げている主要な結論とトピックスです。

  • 自然エネルギーの未来は私たちの「選択」により決まる。与えられた結論があるわけではない。自然エネルギーの未来の選択において、これまでは支援 政策やコスト低減などによる投資が進められてきたが、今後はエネルギー安全保障、気候変動や環境保護、産業振興や経済効果、金融リスクの緩和、柔軟性や回 復力など多様な選択の理由があり得る。自然エネルギーと化石燃料や原子力発電とのコスト比較や将来の自然エネルギー政策や技術は重要だが、「選択」には、 どのようにコスト比較を考えるのか、エネルギーシステムのパラダイム転換などを考慮する必要がある。
  • これまでに示された自然エネルギーの未来の幅広い選択肢を概観し、自然エネルギーの未来のあるべき姿をまとめている。自然エネルギーの可能性、投 資の流れ、資源やビジネスモデル、地域や都市レベルの取り組み、計画や政策、国別やEUレベルの市場の成長や支援政策、技術の進化、コストや世界市場の成 長などが、エネルギーシステムの転換をどのように先導するかを示した。
  • 未来の自然エネルギー比率は保守的なシナリオで15~20%、中庸なもので30~45%、積極シナリオで50~95%に達している。高い自然エネルギー比率の実現において、電力分野は比較的容易だが、熱分野はある程度の困難があり、交通分野は不確実性がある。
  • 多くの政策決定者、電力会社、自然エネルギー事業者、自然エネルギー産業の関係者は、自然エネルギーのより強い「統合」が次の重要分野であると指 摘している。電力系統をより柔軟に運営し、新たな計画や建設を考えると共に、輸送分野における自然エネルギー利用も重要である。これらの「統合」には技術 的なハードルよりもむしろ実証や政策、推進機関、ビジネスモデル、ファイナンス、それらを集約したチャレンジと共に、専門的な実践や教育が重要である。
  • 自然エネルギー業界や電力会社の専門家は「統合」が、より高いレベルの自然エネルギーの実現に重要であると指摘している。自然エネルギーそのもの の技術だけではなく、将来のエネルギーシステムとして、如何に自然エネルギーの技術を既存の電力系統、建築物、産業インフラや交通分野などのインフラに統 合するかが重要である。
  • 自然エネルギーへの投資は急成長しており、保険や年金などの資金と共に地域やコミュニティ・ファンドなど多くの新しい資金が投入されている。専門 家は、多くの新しいビジネスモデルの可能性が、電力分野から交通分野において途上国の農村での自然エネルギーに貢献すると指摘している。
  • 地域や都市レベルにおいて、革新的なアプローチと自然エネルギーの未来へのビジョンが各自治体などで作られている。公共インフラ、地域での投資、 自治体の電力会社、低エネルギーや自然エネルギーに関する建築物の計画制度や公共交通、電気自動車のインフラや「スマート・シティ」などのコンセプトがあ る。
  • 今後10年間に渡り、現行の政策や目標値、シナリオや専門家の予測を超えて、国別の自然エネルギー市場は急速に成長すると予測されている。すでに EU、米国、日本、中国およびインドはその途上にある。国レベルでは、世界中のより多くの国で自然エネルギーの支援政策および政策目標により、自然エネル ギー市場は拡大している。

REN21の”Renewables Global Futures Report”の特集ページ(英語)はこちらです。

お問い合わせ: 認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)