【特集】アブダビ自然エネルギー国際会議ADIREC2013
2013年1月17日
アブダビ自然エネルギー国際会議ADIREC2013は、アブダビ(アラブ首長国連邦;UAE)において2013年1月15日~17日の3日間の期間で開催された2年に一度の自然エネルギーの国際会議です。REN21(21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク、本部:フランス・パリ)が開催を企画し、今回の国際会議はWFES2013(World Future Energy Summit)の協力による共同開催となっています。この自然エネルギー国際会議(IREC)は、2004年にボン(ドイツ)で開催された第1回目の国際会議から数えて5回目の開催となり、前回のDIREC2010はデリー(インド)で開催されました。
環境エネルギー政策研究所(ISEP)では、これまでの全ての自然エネルギー国際会議(IREC)に参加し、世界の自然エネルギーのネットワークの発展に関与して来ました。今回のアブダビ自然エネルギー国際会議ADIREC2013にも参加すると共に、REN21と共同で最新レポート「世界自然エネルギー未来白書」(GFR2013)を発表しました(詳細はISEPからのプレスリリースを参照)。
このアブダビ自然エネルギー国際会議(ADIREC2013)の内容を以下にご紹介します(内容は随時、更新をする予定)。開催の概要については、REN21の特集ページおよびWFES2013のサイトもご参照ください(英語)。
[第1日目] (1月15日) [プログラム]
国際会議の初日は大規模なオープニングセレモニーから始まりました。UAE政府首脳からの挨拶に引き続き、フランス大統領、アルゼンチン大統領などがスピーチ。今回のWFESのメッセージは”The Time is Now”。自然エネルギーと共に「水」もテーマとして取り上げられています(併催: International Water Summit)
BMU(ドイツ環境省)とREN21共催のサイドイベン ト”Energiewende globally?” – what needs to be done for a future renewable energy system?。冒頭にドイツのピーター・アルトマイヤー環境大臣からドイツで進む”Energiewende”について力強い報告。 その後、IRENAのアドナン・アミン事務局長の報告など。この他、IEA-RETDのサイドイベント: “Renewable Energy Action on Deployment, READy”など。
午後の全体会議の閣僚級パネル討論では持続可能なエネルギーとして自然エネルギーがより多くの国で本格普及するための方策が議論されました。各国のエネルギー担当大臣や政府関係者、国連などの国際機関、IRENA、IEAやREN21などの国際的なエネルギー機関のリーダーが議論を行っ ていました。FIT制度などの普及政策と確実な技術に加えて、経済性やファイナンスの重要性についても繰り返し指摘されています。この会議をホストしてい るUAEなど中東の国々も自然エネルギー分野に力を入れていることも実感できます。最後のセッション”Water-Energy Nexus”ではエネルギーと水の「連鎖」について議論。世界的には「エネルギー」と「水」の問題は密接に関連しています。さらに食料の問題もこれに加わ ります。多くのエネルギー、水(バーチャルウォーター)や食料を輸入している日本も、これらの問題を無視できません。
- パネル討論1: Sustainable Energy for All
- パネル討論2: Building National Frameworks for Renewable Energy
- パネル討論3: Renewable Energy in an Evolving Global Energy Market
- パネル討論4: Water – Energy Nexus
[第2日目](1月16日) [プログラム]
ADIREC2013のオープニングセッションが午前中に開催されました。その後、IEA(国際エネルギー機関)のFatih Birol氏からのエネルギー世界展望”World Energy Outlook”に基づく世界のエネルギー問題に関する指摘に引き続き、ISEPの研究部長Eric MartinotからREN21/ISEPの共同レポート「世界自然エネルギー未来白書」Renewable Global Futures Reportの発表がありました(当日の発表資料はこちら。詳細はISEPからのプレスリリースをご参照ください)。
ADIREC2013の各セッションでは、世界の自然エネルギーのエキスパートが一堂に会し、活発な議論が行われました。これまでの自然エネ ルギーの急成長を今後、持続可能な形で長期的に考えて行く必要があります。未来ビジョンやシナリオ、政策、ファイナンス、途上国への展開など幅広い論点が 取り上げられています。
全体会議1: “Renewable Energy Financing – Renewable Energy Finance: Growth amidst Economic Turmoil”Private Sector Finance, Public Sector Finance
全体会議2: “The view from Industry”
サイドイベント: IRENA/REN21共催”Renewable Energy Data to Attract investment in renewable energy – findings from REDAF” 世界各国の再生可能エネルギーのデータベースを整備するフレームワークREDAFについて議論すると共に、自然エネルギーの種別毎のデータ収集方法について情報を共有(風力、太陽光、水力、バイオマスなど)。
[第3日目](1月17日) [プログラム]
会議最終日の午前中は、主に自然エネルギー技術の開発に関する発表と議論が行われました。最初に行われた米国NREL(国立再生可能エネルギー研究所)からのキーノートレクチャーでは、太陽光、風力やバイオ燃料に関する技術開発の現状と課題、そして市場と政策の重要性が指摘されていました。 その後は、自然エネルギー技術の今後の見通しに関するパネル討論”How Technology will shape the future“,”What’s Driving Innovation in Future Energy“,”Future Perfect?“が行われました。
最終日の午後からはエネルギー種別毎の分野に分かれ、以下のパラレル・セッション(パネル討論)が開催され、それぞれの分野の課題や展望が議論されました。