2017年暦年の国内の全発電量に占める自然エネルギーの割合(速報)
2018年4月11日
当研究所は、電力調査統計などより2017年の日本国内の全発電量(自家消費を含む)の電源別割合を推計しました。その結果、自然エネルギー全体は15.6%に増加し、太陽光は5.7%となったことがわかりました。
概要
- 2017年暦年の日本国内の自然エネルギーの全発電量に占める割合は15.6%となったと推計される
- 太陽光発電の割合は、前年の4.4%から5.7%に増加し、変動する自然エネルギー(VRE)の割合は6.3%に増加
- その他の自然エネルギー(風力、地熱、バイオマスなど)は、ほぼ横ばいの状況が続いている
- 火力発電の割合は81.6%に減少したが依然高いレベル、原子力は2.8%に増加したが未だ低いレベルに留まる
2017年暦年の国内の全発電量に占める自然エネルギーの割合(速報)
電力調査統計[1]などより2017年の日本国内の全発電量(自家消費を含む)の電源別割合を推計した。ただし、2017年10月以降の自家発や風力発電、家庭用太陽光の自家消費量推計については前年値を用いている。また、風力発電については、FIT制度による送電量を用いている(電力調査統計の数字に重複などがあると考えられるため)。
その結果、2017年暦年の日本国内の自然エネルギーの全発電量に占める割合は前年(2016年)の14.7%からおよそ1ポイント増加し15.6%に増加した(表1、図1)。2014年以降、毎年1ポイントずつの増加が続いている(図2)。その中で、太陽光発電の発電量は、前年(2016年)の4.4%から5.7%へとおよそ1.3倍に増加している。風力発電の割合0.6%と合わせると、変動する自然エネルギー(VRE)の割合は、前年(2016年)の5.0%から6.2%に増加したことになる。しかし、太陽光以外の自然エネルギーについては、風力が1.1倍となったほかは、前年からほぼ横ばいの状況であり、地熱およびバイオマスについてはわずかに減少している。毎年の出水量に依存する水力発電の発電量も2017年は前年からほぼ横ばいだった。
火力発電の発電量は、減少傾向にあり、2017年は前年の83.6%から81.6%に減少したが、依然として高いレベルである。一方、原子力発電は、2014年にゼロになってから、2015年以降、毎年発電量が増加しており、2017年には全発電量の2.8%となったが、依然として低いレベルである(太陽光の半分程度)。
表1. 日本の全発電量に占める自然エネルギーの割合の推移
電源 |
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
備考 |
水力 |
8.0% |
8.6% |
7.6% |
7.6% |
大規模含む |
バイオマス |
1.5% |
1.5% |
1.9% |
1.5% |
自家消費含む |
地熱 |
0.2% |
0.2% |
0.2% |
0.2% |
|
風力 |
0.5% |
0.5% |
0.5% |
0.6% |
FIT送電量 |
太陽光 |
1.9% |
3.0% |
4.4% |
5.7% |
自家消費含む |
自然エネルギー |
12.1% |
13.8% |
14.7% |
15.6% |
出所:電源調査統計などよりISEP作成
[1]電力調査統計 http://www.enecho.meti.go.jp/statistics/electric_power/ep002/