【報告】日本国内の発電量に占める自然エネルギーの割合(2015年度)
2016年9月1日
日本国内の発電量に占める自然エネルギーの割合が前年度の約12.5%から約2ポイント上昇し、2015年度に約14.5%に達した(自家発電等を含むISEPによる推計値)。1990年代から2010年度まで10%程度で推移してきた発電量に占める自然エネルギーの割合が2012年度以降、増加傾向に転じ始めている(図1)。
日本国内での自然エネルギー電気の固定価格買取制度(FIT)の運用開始から4年が経過し、その大きな成果が様々な統計上の数字に表れてきている。特に急速に導入が進む太陽光発電は、2015年度には前年度に引き続き一年間で約900万kW導入されて、2015年度末には約3300万kWに達している。太陽光発電の年間導入量では、2015年も中国に次ぐ世界第二位となり、日本国内での年間投資額は自然エネルギー全体で約4兆円に達している[1]。
その結果、大規模な水力発電を含む自然エネルギーによる2015年度の年間発電量は、日本国内の全発電量の約14.5%となり、その内訳は、大規模水力が7.1%、太陽光3.3%、小水力が1.7%、バイオマス1.6%、風力0.5%、地熱0.2%となっている(図2)。太陽光発電が前年度の2.2%から3.3%と大幅に増加する一方で、太陽光以外の風力、地熱、小水力やバイオマス発電などの導入量はあまり増えておらず、電力システムなどの課題を解決するため、様々な政策や制度上の改善が必要な状況となっている。
FIT制度により設備認定された発電設備の設備容量や件数や運転開始のデータは、約4か月遅れではあるが2014年4月から資源エネルギーの情報公表用ウェブサイト において市町村別に公表されるようになり、発電量については国内全体の数字が電力調査統計(資源エネルギー庁)などで公表され始めているが、自然エネルギーの統計整備や情報公開には多くの課題がある。当研究所では、2010年から毎年、「自然エネルギー白書」を発行し、日本国内の自然エネルギーのデータについて独自に集計して公表をしている[2]。2015年度の最新のデータについては、今回から特集「日本の自然エネルギー・データ集」としてホームページ上で自然エネルギー白書に先駆けて公表した。
※特集:日本の自然エネルギー・データ集「統計データでみる日本の自然エネルギーの現状」電力編
【参考資料】