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「地域エネルギー2.0」への第一歩

環境省「脱炭素先行地域」に秋田県大潟村が採択

当研究所と事業連携協定書を締結する秋田県大潟村は、環境省が募集する「脱炭素先行地域」に採択されました。当研究所は、今後5年間かけて大潟村が取り組む自然エネルギー100%の村づくり計画の立案において主導的な役割を果たしました。

環境省は、2030年度までに民生部門の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロを実現するとともに運輸部門や熱利用等も含めてそのほかの温室効果ガス排出削減をめざす「脱炭素先行地域」を募集し、共同提案を含め日本全国の102の自治体から79件の計画提案が提出されました。

大潟村は、第1回目に採択された26自治体のうちのひとつに選定されました。同村は、国からの交付金を受けて、今後5年間をかけて先行地域内の民生部門電力の脱炭素100%を図るだけでなく、地域熱供給の導入などを通して村全体の脱炭素化を進めます。具体的には、公共施設、商業施設、県立大学、村営住宅、一般住宅に設置可能な容量の太陽光発電設備を設置するほか、村有地を活用したメガソーラー(8MW)および大型系統蓄電池を新設し、村全体の民生部門の電力消費を賄います。また、大口需要家であるホテルについては自営線を活用した自家消費を進めます。

さらに、地域課題となっている未利用もみ殻を活用したバイオマス熱供給事業により、熱分野の脱炭素化も進めます。デンマークとも協働する熱供給事業は、もみ殻ボイラーを使った「第4世代地域熱供給(低温温水での地域全体の給湯と暖房の供給)」を本格的に導入する日本初のケースとなります。

脱炭素先行地域の実施にあっては、地域エネルギー会社を設立し、地域金融機関や村民出資などを活用して、自然エネルギー100%の地産地消をめざします。

当研究所は、2010年から同村での自然エネルギーの普及に継続的に携わり、2022年3月14日に締結した「自然エネルギー100%の村づくりへの挑戦!」事業連携協定のもと、今回の申請において主導的な役割を果たしました。

大潟村で「地域エネルギー2.0」を実現させ、将来的には近隣地域や他の自治体にも波及するモデルとなることをめざし、当研究所は今後の事業実施にも中心的にかかわってまいります。

参考

このプレスリリースに関するお問い合わせ

環境エネルギー政策研究所(ISEP)
〒164-0008 東京都新宿区四谷三栄町16-16
電話: 03-3355-2200(平日10:00〜17:00のみ)
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担当:田島誠