ISEP海外レポート翻訳サイト開設のお知らせ
2021年10月15日
環境エネルギー政策研究所(ISEP)は、新たな知識・情報共有プラットフォームとして「ISEP海外レポート翻訳(kr.isep.or.jp)」を開設いたしました。このWebサイトでは、世界のエネルギー転換に関する必読レポートを日本語で読むことができます。
ISEPは、創刊時からREN21「自然エネルギー世界白書(Renewables Global Status Report, GSR)」の日本語版翻訳をおこなうなど、世界の自然エネルギー拡大に関する情報を日本国内に伝えてきました。
GSRの初代主執者でISEPシニアリサーチフェローのエリック・マーティノーは、2004年当時、世界で自然エネルギーの普及がどの程度進んでいるのか、また、市場・産業・金融・政策などの動向がどのような状況にあるのかを統合的に示すレポートが存在しなかったため、同レポートの執筆を開始しました。そして、その後毎年発行されてきたGSRは、世界の自然エネルギー政策立案者や研究者、ビジネス・金融プレイヤー、地域コミュニティなど、さまざまなアクターの共通の参照点となりました。
そして、2015年のパリ協定以降、気候危機が認識され、世界的な脱炭素の潮流が決定的となり、あらゆる研究機関の想定を上回って自然エネルギーの導入は急加速し、次々と新たな課題と解決策が現れています。さらに、Covid-19感染拡大が世界を覆った2020年以降は、社会階層の格差がエネルギー面でも影響をおよぼす「エネルギー貧困」が認識されるようになり、「グリーンリカバリー」や「Build Back Better」といった考え方が提出されるようになりました。
このように、これまで常識とされていたことが通用しないほど世界が急速に変化し、常に新たな問題設定がなされていくなかで、自然エネルギー分野の新たな動向は、多くの場合、英語のレポートというかたちで発表されています。しかし、こうした情報はなかなか言語の壁を越えることができず、日本では人々の認識がアップデートされないまま、10〜20年前の認識で議論が展開されることが多々あります。
ISEPは、こうした世界と日本の認識のギャップを埋め、世界のエネルギー転換に関する動向を日本語で伝える重要な共通参照点となることを目指し、海外レポート翻訳サイトを開設しました。開設時ラインナップとして、以下の4つのレポートを翻訳し、掲載しています。
- 「再生可能エネルギー:ジェンダーの視点」(IRENA (2019), Renewable Energy: A Gender Perspective. IRENA, Abu Dhabi.)
- 「コミュニティエネルギーの投資拡大:再生可能エネルギーの多様なオーナーシップに向けて」(IRENA Coalition for Action (2020),Stimulating investment in community energy: Broadening the ownership of renewables, International Renewable Energy Agency, Abu Dhabi.)
- 「コミュニティエネルギー:再生可能エネルギーの多様なオーナーシップに向けて」(IRENA Coalition for Action (2018),Community energy: Broadening the ownership of renewables, International Renewable Energy Agency, Abu Dhabi.)
- 「地域熱供給白書:都市部のためのグリーンな冷暖房」(State of Green (2020)District energy: Green heating and cooling for urban areas, State of Green, Copenhagen.)
今後、随時新たな重要レポートを翻訳し、掲載してまいります。
このプレスリリースに関するお問い合わせ
特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所(ISEP) 担当:古屋
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