国会エネルギー調査会(準備会)第58回
2016年5月13日
今年4月に電力小売全面自由化となり、2020年を目途に総括原価方式も完全撤廃されます。10電力独占体制から自由競争環境に変わり、電力会社の破綻もあり得る時代に入りました。そうした中、「コストが安い」とされる原発について、事業環境整備、つまり原子力事業の存続を担保する支援策の検討が進められてきました。今国会では再処理等拠出金法案が成立しましたが、再処理路線固定化への強い懸念が表明されました。この法案は電力システム改革関連法案の審議に当たって求められた措置の一つですが、電力業界などは原子力損害賠償制度の見直し、具体的には、予見可能性を名目に原子力事業者の賠償負担額に上限を設定することを求めていますし、原発を「公益電源」と称してさらなる公的支援を要求する声もあります。新設原発に対するCfD(差額決済契約)に倣った仕組み、即ち原発版FIT(固定価格買取制度)も提起されていますし、既存原発についても、再処理費用などが託送料金に上乗されあまねく消費者負担に転嫁される可能性も否定できません。
原発は安いと言われてきましが、福島第一原発事故は1回の事故で莫大な損害がもたらされることを再認識させました。賠償・除染・廃炉など事故費用の現状と負担関係を議論の前提として確認した上で、電力自由化時代の原子力政策の行方について徹底討論します。
日程・テーマ等
<日時>
2016年5月19日(木)16:00〜18:00
<場所>
衆議院第1議員会館 国際会議室(1階)
<共催>
国会エネルギー調査会準備会有識者チーム、超党派議員連盟「原発ゼロの会」
<テーマ>
電力自由化時代の原子力政策 ~原子力のコストと競争環境下の支援策~
<プログラム>
1. 基調講演
大島堅一氏(立命館大学国際関係学部教授)
2. 説明
経済産業省資源エネルギー庁、文部科学省、内閣府、環境省
3. 討議・意見交換
出席国会議員、有識者、関係省庁を交えて
○ 出席予定者
国会議員(原発ゼロの会メンバー等)
国会エネルギー調査会準備会有識者チームメンバー
映像・資料公開
資料・動画はこちら(https://www.isep.or.jp/archives/library/10023)からご覧いただけます。